高校生に伝えたいこと

これは私が部活動の指導員を引退するときに

教え子だった高校生達に送った手紙です。

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2年間の部活動お疲れ様でした。
多感な10代の間に、打ち込める何かを見つけられたのはとても幸福なことだと私は思います。
 
さて、これから受験という壁が
立ちはだかる方が多いでしょう。
それに重なるかのように
また別のストレスが加わることもあるでしょう。
 
そのような苦悩に嫌気が差す日もあると思いますが、
今回は私から「10代は悩むべきだ」というお話をしますね。
 
アイデンティティの獲得」
という言葉を聞いたことはありますでしょうか。
 
アイデンティティとは、
エリクソンという人が提唱した概念です。
 
そして「アイデンティティの獲得」とは
「自分とは何者か」「自分の目指す人生とは何か」というような問いに対して、
肯定的かつ確信的に答えられることです。
 
現段階で上記の問いに
答えられる方は少ないと思います。
 
しかし、10代後半に差し掛かった皆様は
人生における青年期です。
エリクソンは青年期の課題として
アイデンティティの獲得」を挙げています。
 
アイデンティティの獲得」が出来ると、
自分が何者であり、
どのような方向に向かうのかという
認識を得ることができます。
 
もしアイデンティティ
獲得が出来なかったらどうなるのか。
将来に関する展望が築けなくなったり、
自分に対して否定的になると言われています。
 
恐れることはありません。
アイデンティティの獲得」には時間が掛かるものです。
「自分って何だろう」という漠然な問いが
頭の片隅にあれば、いつか獲得まで辿り着けるはずです。
 
着たいと思う服も、好きになるタイプも変わります。
親密になった人と突然縁を切りたくなる瞬間もあります。
一貫性の無さを感じるかもしれませんが、今はそれでいいのです。
 
沢山悩んだ人が自分を確立できます。
全てを投げ出したくなる夜も、
命に関わる決断に踏み切りたくなる衝動も、
自己否定しかできない時間も、
青年期の皆様にとっては大切な過程なのです。
 
 
私自身もそうでしたから。
 
 
これから悩んだり、
自信を無くしたり、不安になったりしたら、
睡眠を取るか、好きなことをするか、
誰かに話を聴いてもらうことを推奨します。
 
私は、ずっと皆様の味方でいますから、
どうかそのことは忘れないでいてください。
 
以上「10代は悩むべきだ」という極私的な考えです。
 
 
あなたにとって、幸福な人生を歩んでいけますように。
 
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私の言葉で誰かが救われたら有り難い

私の考え方が、

誰かに新たな知見を与えられたら喜ばしい

たった一夜を乗り越えるための言葉を私は紡ぐ

共に夜を越えたいのです。